濃厚高分子溶液の混合性能評価
蛍光顔料を含んだ濃厚高分子溶液を配管の中心部にノズルで注入し、蛍光画像を取得しました。スタティックミキサー2800を使用すると動力不要でも均一な混合が行われていることが分かります。山口大学 循環環境工学科 佐伯教授と産学連携で共同研究開発をおこなっております。
他社製品の混合性能評価比較
実験内容
水に蛍光顔料を含有した難混合性の高粘性流体(CMCナトリウム 水溶液)を供給し、混合状態を可視化によって評価。
水 温 : 19℃
流 速 : 0.2 ~ 2.2 m/s
レイノルズ数 : 5,100 ~ 54,000
混合度M [%] : (蛍光画素数/全画素数)×100
最大濃度R’max [-]: それぞれの輝度の画素数にべき乗の重みづけ(明るいところの画素数がより多くなる)をしたのち最大の画素数となる輝度
混合性能評価
ケニックス型とほぼ同等の分散が確認されました。またケニックス型では注入流体濃度が1.5wt%の場合注入流体の濃厚な塊がありますが、スタティックミキサー2800では均一な分散が確認されました。
濃度 1.0wt% | MSE型 | ケニックス型 | スタティックミキサー2800 |
混合度 | 100 | 100 | 99.9 |
最大濃度 | 51 | 67 | 75 |
濃度 1.5wt% | MSE型 | ケニックス型 | スタティックミキサー2800 |
混合度 | 100 | 100 | 95.9 |
最大濃度 | 54 | 239 | 145 |
圧力損失比較結果
各ミキサーにおける圧力損失を測定し、そのスタティックミキサーがどれだけの長さ(L)の平滑管(直径D)に等しい圧力損失であるかを示すもので、LとDの比で表します。L/Dが大きいほど、圧力損失が大きいことが分かります。
MSE型は非常に圧力損失が高いことが分かりました。スタティックミキサー2800はエレメント数の多い高価なケニックス型と同等の圧力損失であることが分かりました。このことから、圧力損失が非常に低く、さらに流体の混合には十分な能力をもっているということが分かりました。